メタデータ研究室では、ディジタルライブラリ(Digital Library)や ディジタルアーカイブ(Digital Archive)を中心に、インターネット上に 溢れている様々な情報資源に対し、流通・管理を目的としてメタデータを 用いた研究課題に取り組んでいます。
インターネット上で様々な情報資源への アクセス性を高めることや,現在のディジタルコンテンツを将来の利用者にも利用できるよう保存することなど、多くの挑戦すべきテーマがあります。
ディジタルライブラリに関わるテーマにはコンピュータ技術がなければ解決できないことが多くありますが、現在のコンピュータの技術だけでは解決できないことも多くあります。
当研究室では、「情報を扱うための技術とそれを支える概念を理解すること」を目指し、「手を動かして何かを作ってみよう!」ということに関心を持つ学生諸君を歓迎します。
指導教員:永森光晴(図書館情報メディア系 講師, e-mail:nagamori[at]slis.tsukuba.ac.jp)
共同研究者:三原鉄也(人文社会系 助教, e-mail:mihara.tetsuya.ga[at]u.tsukuba.ac.jp)
※ [at]は@に置き換えてください.
募集人数:3名
研究室:7D412(永森), 7D440(共同研究室)
在籍メンバー(2023年10月現在):大学院生6名(博士後期1名, 博士前期5名), 学群生4名, 計10名(留学生1名)
ゼミ(2023年度):全体ゼミ週1(2時間程度),その他個人ゼミに加え,随時勉強会あり
"メタデータ"とは,「data about data」すなわちデータについてのデータのことを指します. 例えば,図のようなラベルのついていない缶詰を思い浮かべてください.この缶詰の中身は 難でしょうか?鯖の味噌煮?それともキャットフード?答えは,缶詰を開いてみないと分かりません.
でも,きちんと缶詰にラベルが付けられていれば,私たちは簡単に缶詰の中身を知ることが出来ます. このラベルの様に,ある物について説明しているデータのことを”メタデータ”と呼びます.
また,缶詰の様に長期保存するものは,途中でラベルがわからなくなってしまうかもしれません. ただ単純にラベルを付けるだけでなく,1年後,10年後,100年後も中身が分かるようなメタデータを 付けることがとても重要になります.
こんなことがディジタル上では頻繁に起こります.本研究室では,ディジタル上の様々なコンテンツに, メタデータを付けることで,アクセスと管理を簡単に行えるようにすることを目指して研究を進めています.
本研究室は、大きく3つのテーマがあります.その他、ディジタルコンテンツの流通に関わることなど、 学生からの希望があれば、それに沿って研究テーマを決めます.下記の3つのテーマごとに分かれて活動 しています.
メタデータスキーマとは、メタデータの作成や利用に必要な設計図です.より良いスキーマを効率よく 作成するため、既存のスキーマを引用・応用した新たなスキーマの作成支援などに取り組みます.
また、既存のスキーマの発見を支援するため、スキーマを蓄積し検索可能とするメタデータスキーマ レジストリの開発にも関わります.
・関連メタデータタームの提示と比較によるターム探索支援手法 (2023)
・アプリケーションプロファイル設計支援を目的としたメタデータモデル評価手法 (2023)
・LODデータセットの理解支援を目的とした構造情報に基づく用例作成手法 (2022)
・メタデータプロファイルを利用したLODデータセット利活用支援 (2021)
・Estimating Domain Model from Metadata Instances to Improve Usability of LOD Datasets (2017)
・Linked Open Data を利用したメタデータ語彙の用法理解のための用例作成 (2016)
様々な人や組織が作成したメタデータを、互いに組み合わせて利用できる形で Web 上に公開・共有する、 Linked Open Data という試みが注目されています.
連携可能なメタデータの発見や、多様なメタデータを実際に 組み合わせて利用するシステムの構築などを支援する仕組みの研究をします.最近はマンガ・アニメ・ゲーム作品 のより高度なメタデータ連携のための研究に取り組んでいます.
・Wikipedia を用いたマンガ・アニメ・ゲームの Work実体の同定 (2018)
・Aggregating Metadata from Heterogeneous Pop Culture Resources on the Web (2015)
マンガの制作や流通に関わるメタデータの研究です.マンガの内容に関する情報、コマや人物など 構造に関する情報、マンガ同士や他の資料との関係などを記述したメタデータを整備し、ディジタル上での マンガに関する様々な活動を支援します.
マンガへの情報付加や表現の分析といったマンガメタデータの 利用に加えて、その効率的な作成についても研究を進めています.
・マンガの構造記述メタデータを利用したコマの連続性評価に基づくマンガシーン抽出手法 (2023)
・既存のWebリソースを用いたアニメ作品のスタッフ情報LODの構築 (2021)
・構造メタデータを利用したマンガの閲覧/共有/検索システムの開発 (2018)
・機械学習によるマンガのシーン抽出 (2017)
オンラインオープンラボとして、MS Teams に研究室の紹介動画や資料を公開するチームを用意しました. いつでもご覧ください.教員との面談にも利用します.2023年のオープンラボのチームへはチームコード「aguitw5」で参加してください.
注意:本研究室を希望する学生は、必ず永森と個人面談を行ってください!
まずはメールまたはMS Teamsのチャットで連絡をください
その1. 自分のやっている研究を誰にでも分かるように説明出来るようにしましょう.
その2. 常に国際的な視野を持ちましょう!海外の国際会議への論文の投稿・発表を奨励しています.
その3. 英語でのコミュニケーションに前向きに!本研究室には、これまで留学生も多く、研究活動で関わる 海外の方と交流を行う機会が多くあります.英語は下手でも良いので、積極的に関わりましょう!
その4. 研究室に配属されると、これまでとは違う(本当の意味での)大学生活が始まります.それをしっかり楽しみましょう!